詩7 七夕
七夕
ひかり晴れた空
彦星と織姫と
そこら中にひしめいて
泣いたような
笑ったような
「あなたを
こよなく嫌悪します」
詩6 空を拓きながら
空を拓きながら
サヨウナラ
そして道は創まる
傷は深いが
死ぬことはない
俺はただ俺の次の一歩へ
正確に着弾しよう
いつかさめざめと
嬉しい日のために
詩5 旅人
旅人
彼の部屋にはノートが沢山あって
どれもこれも使い切っていないのだった
―どうしてこんなにノートを買うのですか
―ああそれはみな旅に出ているのですよ
詩4 ふるさと
ふるさと
メソッドはもうたくさん
あなたはご存知でしょう?
たまものに還るすゞしい音や
ほがらかな径 [こみち] を
ふるさとにいるのは誰?
あなたの華やぎをいつも
祈っているのは?
まっすぐ前を見てごらん
そして焼きたてのパンのように
あたたかく香ばしい言葉を言ってごらん
さみしさが炙りだしたものへ
何度でも辿り着けるように
「愛」と
「愛している」と
詩1 決起
決起
雨上がりの朝
前方にまっすぐ光る線路は軌跡ではない
凝然とそれをみる俺は
すでに深呼吸をはじめている
わかるか
時間を汚さないことの
古傷に音をあげないことの
刃のように正直であることの
今日へ捺す みずみずしい俺の決起だ