詩2 接吻

 接吻


  甘味な窒息―――

  ダチュラの花の下で
  心は取り返せないほど浚われた
  (ぼくらの唇は青変したという)

  以来多くの言葉を費やして寂しさを凌ぎながら手を携え
  臈たけた花の中をすすんでいると信じた

  そうではなく疑うことを自らに禁じて
  ぼくらは慎み深く眠りあったのだ
  行き場のないやさしさを少しく持て余しながら

  (ぼくの何かが終わり あなたの何かが始った
   訃のように遠いポワン)