2017-06-22 詩2 接吻 接吻 甘味な窒息――― ダチュラの花の下で 心は取り返せないほど浚われた (ぼくらの唇は青変したという) 以来多くの言葉を費やして寂しさを凌ぎながら手を携え 臈たけた花の中をすすんでいると信じた そうではなく疑うことを自らに禁じて ぼくらは慎み深く眠りあったのだ 行き場のないやさしさを少しく持て余しながら (ぼくの何かが終わり あなたの何かが始った 訃のように遠いポワン)